矯正治療は、子どもだけの
ものではありません Adult Orthodontics
矯正治療というと「子どものうちに受けるもの」と思われがちですが、実際には大人になってから治療を始める方も多くいらっしゃいます。永久歯が生えそろっていれば、中学生ごろから治療の対象となり、近年では50代、60代で治療を始められる方も増えています。
大人の矯正では、子どものように成長を利用した治療はできません。しかし、最新の治療では大人に対しても顎整形的な治療が可能となり、歯を抜かずに治療が可能であったり、歯を抜かないことで治療期間が大幅に短縮されたり、呼吸機能の改善が期待できる場合もあります。骨格的な不正が大きい場合は、必要に応じて外科的な処置(保険適用)を組み合わせることで、機能面や見た目の改善をめざすことが可能です。
また、歯並びを整えることで見た目の印象が変わるだけでなく、かみ合わせや発音のしやすさ、磨きやすさの向上など、毎日の生活における多くのメリットが期待されます。
最近では、器具の目立ちにくさや使いやすさが向上してきており、「目立たずに治療したい」「仕事や日常生活に支障が出ないように進めたい」といったご要望にも幅広く対応できます。特に、透明なマウスピース型矯正装置(カスタムメイドのアライナーなど)は、見た目を気にされる方にも適しており、世界的にも広がりを見せています。
年齢とともに歯の動きはゆるやかになる傾向があるため、気になることがあれば早めのご相談がおすすめです。重度の歯周病や歯の本数が少ない場合など、治療が難しいケースもありますが、丁寧な診査・診断をもとに最適な治療方法をご提案いたします。
年齢を理由にあきらめず、一歩踏み出してみませんか?ライフスタイルやお口の状態に合わせて、無理のない矯正治療を一緒に考えていきましょう。




症状やご要望に合わせた
矯正装置をご用意しています TYPE
患者様一人ひとりのお口の状態やご希望に応じて、さまざまな矯正装置を取りそろえています。目立ちにくい器具をご希望の方や、仕事や生活への影響を最小限に抑えたい方にも対応可能です。
マウスピース型矯正(インビザライン)
透明なマウスピースを使って歯を徐々に動かす矯正方法です。取り外しが可能なため、食事や歯みがきの際の負担が少なく、衛生的に治療を進めることができます。目立ちにくく、会話中にも気づかれにくいため、人前に出るお仕事をされている方にも選ばれることが多いです。
「インビザライン・システム」は、米国アライン・テクノロジー社が1999年に提供を開始し、現在では世界100カ国以上で使用され、これまでに420万人を超える患者様が治療を受けています(※2016年12月時点)。

- 透明な素材で、装着していても目立ちにくい
- 食事や歯みがきの際に取り外せて衛生的
- 金属アレルギーの心配がない
- 口内の違和感や痛みが少ない
- 通院回数が比較的少なく済む
- 毎日決められた時間以上の装着が必要(20時間以上)
- 適応できる症例が限られる場合がある
- 装着時間を守らないと治療が予定通り進まない
表側ブラケット矯正
(メタル・セラミック)
歯の表側にブラケットを装着し、ワイヤーを使って歯を動かす従来型の矯正方法です。細かな調整がしやすく、あらゆる症例に対応できる汎用性の高さが特長です。白く目立ちにくいセラミックブラケットも選択可能です。

- 幅広い症例に対応可能(重度の不正咬合にも対応)
- 細かい調整がしやすく、精密な歯の移動が可能
- 治療の進行状況を視覚的に確認しやすい
- セラミックブラケットを選べば目立ちにくい
- 装置が目立つため、見た目が気になることがある(特に金属製)
- 食事中に食べ物が詰まりやすく、清掃に注意が必要
- 口内炎や擦れなど、口腔内の違和感を感じることがある
- 定期的な通院でのワイヤー調整が必要

精度の高い治療のために
「iTero(アイテロ)」
を導入しています iTero TREATMENT
治療前の検査には、精密な3Dデータが取得できる口腔内スキャナー「iTero(アイテロ)」を導入しています。従来のような粘土状の材料は使わず、お口の中をスキャンするだけでスムーズに歯型を採取でき、嘔吐反射のある方にも負担が少ない方法です。
スキャンには多少の時間がかかりますが、治療後の歯並びをシミュレーションで確認できるなど、より正確な治療プランにつなげることができます。
顎整形的な治療という選択

Maxillary Skeletal Expander(MSE)は、上顎の骨に直接力を加えて広げることで、歯並びや呼吸の改善を図る矯正装置です。従来の歯を土台にする装置とは異なり、骨にアンカー(ミニスクリュー)を固定するため、歯への負担を抑えつつ、骨格レベルでの拡大が期待できます。これにより、抜歯を避けながらも歯をきれいに並べられる可能性が広がります。上顎の骨を左右に広げることで、歯が並ぶスペースを確保し、自然なかみ合わせへとを促します。
また、MSEは骨に直接固定されるため、従来の装置よりも効率的に骨の拡大が可能で、比較的短期間で効果を実感しやすいのも特長です。装置は口の中に装着し、日常生活への影響も最小限に抑えられています。適応には個人差があるため、専門的な診断が重要です。
場合によっては抜歯が必要となるケースもあるため、医師とよく相談して治療計画を立てることが大切です。
- 骨格の根本的な改善
骨格そのものを拡大することにより、歯を並べるスペースが確保され、抜歯を避ける可能性が高まります。
- 治療の安定性
骨格自体を拡大するため、歯だけを動かす治療に比べて後戻りが少なく、安定した治療結果が期待できます。
- 呼吸の改善
上顎の拡大は鼻腔の拡大にもつながることがあり、口呼吸の改善や睡眠時無呼吸症候群の症状緩和が期待できる場合があります。
- 審美性の向上
上顎が広がることで、より調和の取れた笑顔や、頬骨のラインがはっきりするといった顔貌の変化が見られることがあります。
- 適応症の限定
すべての症例に適用できるわけではなく、成長が完了した一部の成人では効果が出にくいことがあります。治療の適応性については、事前の精密検査で判断します。


インプラント矯正について
矯正治療の精度を高める
「インプラント矯正」

矯正治療では、歯を正確に動かすために「固定源」の確保が重要です。従来の治療では、動かしたくない歯を固定源として利用するため、そこに余計な力がかかり、理想通りの歯の移動が難しいケースもありました。また、奥歯の移動や圧下(歯を沈み込ませる動き)、上下の顎を同時にコントロールするような複雑な動きには限界があり、治療の自由度にも制約がありました。
そのような課題を解決するために活用されているのが、「アンカースクリュー」と呼ばれるチタン製の小さなネジです。これを顎の骨に直接埋め込み、動かしたい歯にのみ的確な力を加えることで、従来よりも繊細かつ正確な歯の移動が可能になります。 この方法は「インプラント矯正」と呼ばれ、特に成人矯正において高い効果を発揮します。
たとえば、奥歯を後方に移動させたり、前歯を引き下げて口元の突出感を是正したりといった症例に対し、抜歯やヘッドギアを使わずに対応できる場合もあります。症例によっては、抜歯を回避できたり、治療期間を短縮できる可能性もあります。
アンカースクリューの埋入は局所麻酔で短時間に行え、術後の痛みや違和感もほとんどありません。不要になった場合は簡単に取り除くことができ、身体への負担もわずかです。高い安定性を持つ固定源として、計画通りにしっかりと治療を進めたい方に適した選択肢です。
こんな方に向いています recommend
- 抜歯をせずに治療を進めたい方
- 治療期間をできるだけ短縮したい方
- 奥歯を大きく後ろに移動させたい方
- 左右いずれか片側だけ歯を動かしたい方
- ヘッドギアなどの外部装置を使用したくない方
- 上顎の裏側(口蓋)や頬側に大きめのアンカースクリュー(アンカープレート)を設置して、広範囲に歯を移動させたい方
- 開咬(前歯が咬み合わず奥歯だけが当たる状態)を改善したい方
- 前歯だけを集中的に動かしたい方(抜歯後のスペースを前歯で閉じたい場合など)
- 顔貌とのバランスを考慮し、上下の奥歯を後方に動かして非抜歯で治療したい方
インプラント矯正で使用する
装置の種類 TYPE
小さなネジで歯を動かす「歯科矯正用アンカースクリュー」
ごく小さなチタン製スクリューを、歯ぐきの骨に直接埋め込み、固定源とする方法です。局所麻酔を行い、歯ぐきを切開せずに1本あたり約5分で埋入できます。処置後にはレントゲン撮影を行い、必要に応じて抗生剤や鎮痛剤を服用します。下顎の内側を除く多くの部位に設置可能で、歯と歯の間などの狭いスペースにも対応できます。

- 処置時間が短く、身体への負担が少ない
- 歯をピンポイントで動かすことができる
- ほとんどの部位に設置可能
- 麻酔が切れた後も痛みや腫れが出にくい
- スペースが限られる部位では移動量が3mm以内に制限される
- 装置の位置や歯の状態によって使用できない場合がある
外科的矯正治療とはJaw deformity

上下の顎の骨が大きすぎる、または小さすぎる、あるいは上下・左右・前後方向に大きくずれている状態を「顎変形症」といいます。このような症状では、歯の移動だけでは適切な咬み合わせを整えることが難しいため、外科手術を併用した治療(外科的矯正治療)が必要となります。外科的矯正治療とは、矯正治療と顎の骨を動かす外科手術を組み合わせることで、噛み合わせや顎の骨格のバランスを改善する治療法です。顎の機能回復を主な目的とするため、一定の条件を満たせば公的医療保険が適用されます。
| 噛み合わせの改善 | 上下の顎の骨を正しい位置に動かすことで、しっかりと噛めるようになり、食事や発音などの機能が向上します。 |
|---|---|
| 顔立ちの改善 | 顎の骨格のズレが根本的に改善されるため、顔全体のバランスが整い、より良い顔貌の変化が期待できます。 |
保険適用の条件と流れ
顎変形症の外科的矯正治療は、保険診療の対象となりますが、いくつかの条件を満たす必要があります。

顎変形症と診断されること
精密検査の結果、骨格的な不調和の程度や噛み合わせの重症度から、外科手術が必要な「顎変形症」と診断される必要があります。
厚生労働大臣が定める
医療機関で治療を受けること当院は、保険診療での外科的矯正治療が可能な「指定医療機関」として認められています。

決められた治療法で進めること
保険適用での治療では、使用できる装置や治療法に制約があります。たとえば、見た目をより重視する一部の装置(マウスピース型矯正装置や裏側矯正など)は保険適用外となります。
治療の流れ(保険適用)FLOW

保険適用での外科的矯正治療は、大きく3つのステップで進めていきます。

術前矯正(約1~2年)
まず、保険診療の範囲内でワイヤー矯正を行い、手術後に顎の骨を動かした際、噛み合わせが合うように歯並びを整えます。

顎矯正手術(提携病院にて入院)
術前矯正が完了したら、当院と連携している口腔外科で手術を受けていただきます。手術や入院費用は、健康保険が適用されます。高額療養費制度を利用できる場合もあります。

術後矯正(約半年~1年)
手術後、再び保険診療の範囲内で矯正装置を装着し、最終的な噛み合わせの微調整を行います。
治療のメリットと注意点Overview
- 骨格的な問題を根本から改善できます。
- 健康保険が適用されるため、自己負担額を抑えることができます。
- 「医療費控除」の対象となる場合が多いです。
- 保険適用の場合、使用できる矯正装置の種類が限られます。
- 入院や手術が必要です。
私たちにお任せください
当院では、口腔外科の専門医と密に連携し、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療計画を立て、丁寧にサポートしてまいります。ご不安な点やご質問がありましたら、何でもお気軽にご相談ください。