矯正治療におけるリスクや副作用
矯正歯科では、見た目や機能の改善が期待できる一方で、以下のようなリスクや副作用が伴う場合があります。治療を受けるにあたっては、十分な理解と協力が必要です。
治療中に起こりうる症状
- 装置を装着した直後は、不快感や痛みが出ることがありますが、通常は数日から1〜2週間で和らぎます。
- 歯の動き方には個人差があり、予定より治療期間が延びる場合もあります。
- 装置の使用状況や顎間ゴムの装着、定期的な通院といった日々の取り組みが、治療の結果や期間に影響します。
衛生管理に関して
- 装置があることで歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病が生じやすくなります。そのため、毎日の丁寧なブラッシングに加え、歯科医院での定期的なクリーニングが重要です。歯が移動する過程で、それまで見えなかった虫歯が見つかることもあります。
歯や歯ぐきへの影響
- 治療中に歯根が短くなる（歯根吸収）、歯ぐきが下がる（歯肉退縮）といった変化がみられることがあります。
- まれに歯と骨が癒着していて動かない、あるいは歯の神経が損傷して壊死するケースがあります。
その他のリスク
- 使用する装置の素材により、金属アレルギーなどの反応が出ることがあります。
- 顎関節の症状が現れることがあります。（顎の痛み・音が鳴る・口が開けにくいなど）
- 治療の進行状況に応じて、当初の治療計画から変更する場合があります。
- 必要に応じて、歯の形態を整えたり、咬み合わせの微調整をすることがあります。
- 矯正装置の一部を誤って飲み込んでしまうことがまれにあります。
- 矯正治療の終了後、装置を取り外す際に、歯の表面に微小な亀裂が入ったり、補綴物が破損する可能性があります。
- 歯を動かす治療が終了した後、咬み合わせが変わることで、補綴物の再製作や虫歯治療の再処置が必要となるケースもあります。
治療後に起こり得るリスク
- 保定装置を正しく使用しないと、歯並びや咬み合わせに「後戻り」が起こることがあります。
- あごの成長や加齢、親知らずの萌出、歯周病の進行などにより、歯並びや噛み合わせが変化する場合があります。
ご理解いただきたいこと
- 矯正治療は一度始めると、治療前の状態に戻すことは難しいです。事前に十分な説明を受け、ご納得のうえで治療を進めていただくことが大切です。